暗号資産(仮想通貨)市場は、価格の上下だけを追うフェーズから、制度・資産分類・投資戦略を軸に評価される段階へ移行しつつあります。
米金融大手の ゴールドマン・サックス が公表した2026年見通しレポートは、その流れを明確に言語化した内容となりました。
同社は、デジタル資産に対して「全面否定でも無条件肯定でもない」選択的かつ建設的な姿勢を示し、特に規制の明確化が機関投資家参入の決定打になると分析しています。
Clarity Actが分ける米仮想通貨市場の“前”と“後”
レポートによると、機関投資家の35%が、仮想通貨採用における最大の障壁として「規制の不透明さ」を挙げています。一方で32%は、「規制が明確になれば参入を決断する」と回答しました。
ゴールドマン・サックスが最重要視しているのが、米国で審議が進む市場構造法 Clarity Act です。
この法案は、
- トークン化資産
- DeFi(分散型金融)
- 既存金融法との整合性
といった論点を整理し、SEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)の監督範囲を明確化することを目的としています。
BTCとETHは“コモディティ”、それ以外はSEC管轄へ
同社アナリストのジェームズ・ヤロ氏らは、法案成立後の整理として、
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
は CFTCの管轄下でコモディティとして扱われる一方、
投資性の強いトークンは SECの管理対象になるとの見方を示しました。
これは初心者にも重要なポイントで、「仮想通貨は全部グレー」という状態から、
資産ごとにルールが異なる“通常の金融商品に近い扱い”へ移行することを意味します。
法案成立のタイミングが持つ政治的意味
ゴールドマン・サックスは、2026年前半までの法案成立が重要だと指摘しています。理由は、中間選挙による政治的影響を避けるためです。
上院銀行委員会の委員長である ティム・スコット 氏も、修正案の提出と採決が近いことを明らかにしています。
市場関係者の多くは、成立確率を50〜60%と見積もっており、
可決されれば機関投資家による大規模資金流入が一気に現実味を帯びると分析されています。
機関投資家の動きが示す「成熟の兆し」
現時点で、仮想通貨を実際に保有している機関投資家は7%にとどまります。
しかし注目すべきは、71%が今後12か月以内にエクスポージャーを拡大する意向を示している点です。
特に評価されているのが、ビットコイン現物ETFです。
- 2025年末時点のAUM:1,150億ドル規模
- 直接管理やカストディの煩雑さを回避
- 既存の金融インフラで運用可能
という点が、機関投資家から支持されています。
規制整備はすでに“段階的に進行中”
ゴールドマン・サックスは、現在の動きを「突然の変化」ではなく、数年かけた積み上げの結果と位置づけています。
- 2024年:BTC・ETHの現物ETF承認
- 2025年7月:GENIUS Act成立
- カストディ
- 税務処理
- 投資家保護
といった枠組みが整備され、ステーブルコイン市場の時価総額は約3,000億ドル規模へ拡大しました。
コインベースを「買い」に引き上げた理由
同社は、米大手取引所 コインベース に対する投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を303ドルに設定しています。
背景にあるのは、
- 機関投資家の取引・カストディ需要
- ETFや規制準拠型サービスの拡大
- 米国規制明確化の最大受益者になる可能性
といった点です。
仮想通貨は“戦略資産”として扱われ始めている
ゴールドマン・サックスは、機関投資家の間でビットコインが、
- 短期投機の対象
ではなく - インフレヘッジ
- ポートフォリオ分散を担う戦略的資産
として再定義されつつあると分析しています。
さらに、米国の規制明確化が市場発展の最終ピースとなり、
2026年末までに仮想通貨市場はニッチから主流の資産クラスへ移行する環境が整うと結論づけました。
リフィックスソリューションズの独自見解
今回のゴールドマン・サックスの分析は、「仮想通貨は上がるか下がるか」という単純な議論を一段引き上げています。
重要なのは、誰が・どの立場で・どのルールのもとに資金を入れられるのかという構造です。
リフィックスソリューションズでは、
- 規制が整う=値上がり、ではなく
- 規制が整う=“資産として評価される土俵に上がる”
と捉えています。
価格の変動よりも、戦略資産として組み込める条件が揃いつつあるかを冷静に見ることが、2026年以降の暗号資産理解に欠かせない視点になるでしょう。
参照元
・ゴールドマン・サックス レポート(2026年)
・各種報道
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