金融最大手の ブラックロック が提供するビットコイン現物ETF「IBIT」が、2025年のETF市場において異例とも言える存在感を示しています。
年初来リターンはマイナス圏にあるにもかかわらず、年初来の資金流入額ランキングで6位に食い込んだのです。
■ 年初来流入額は約4兆円超、リターンは-9.6%
「IBIT」は、暗号資産の代表格である ビットコイン の価格に連動する現物ETFです。
2025年に入ってからの資金流入額は**約254億ドル(日本円で約4兆円)**に達し、ETF市場全体でもトップクラスの水準となりました。
一方で、年初来リターンは**-9.6%**とマイナス。
この「成績」と「資金流入」のギャップについて、ブルームバーグの著名ETFアナリストである エリック・バルチュナス 氏が分析を行っています。
■ マイナスでも流入?ブルームバーグ分析が示す意味
バルチュナス氏は、資金流入額上位25本のETFを一覧化し、その中で年初来リターンがマイナスだったのはIBITだけだったと指摘しました。
それでもIBITは、
- 約65%上昇した SPDRゴールド・トラスト(GLD)
- ナスダック100連動の インヴェスコ QQQ
といった人気ETFを上回る資金流入を記録しています。
バルチュナス氏は次のようにコメントしています。
「重要なのは、IBITがマイナスリターンにもかかわらず6位に入った点だ。
不況下でこれだけの資金が流入するなら、好況時にはどれほどの需要が生まれるか想像してほしい。」
■ 下落局面でも積み上がる“HODL型”投資
この現象について、市場では
「投資家が価格下落を好機と捉え、ETFを通じて長期ポジションを積み上げている」
という見方が強まっています。
いわゆる**HODL(ホドル)**とは、価格変動に一喜一憂せず、長期保有を前提とする投資スタンスです。
もともとは「HOLD(保有)」のタイプミスから生まれた言葉ですが、現在では暗号資産市場を象徴する考え方の一つとなっています。
■ 他ETFとの比較で見るIBITの立ち位置
2025年の資金流入ランキング首位は、S&P500指数に連動する バンガード VOO で、
1,450億ドル超の純流入と10%台半ばのリターンを記録しました。
そのほか、
- IVV(S&P500連動)
- VTI(米国株式市場全体)
- SPYM(高配当株ETF)
といったトータルマーケット型ETFが上位を占める中で、暗号資産ETFであるIBITが食い込んだ点は、市場構造の変化を示唆しています。
■ 短期的には流出も、長期視点は分かれる
一方、短期的な需給には注意も必要です。
オンチェーン分析企業 クリプトクアント は、2025年第4四半期(10〜12月)にかけて、
ビットコイン現物ETFで約24,000BTCの純売却があったと指摘しています。
また Farside Investors のデータでは、
日単位で見ると大規模な流入と流出が交錯しており、短期資金は依然として不安定です。
■ リフィックスソリューションズの独自見解
IBITの動向は、「価格」と「資金の意思決定」が必ずしも一致しないことを示しています。
特にETFという金融商品を通じたビットコイン投資は、短期売買よりも長期資産配分の文脈で組み込まれ始めていると見るのが自然でしょう。
今後は、価格動向だけでなく
- ETFを通じた資金流入の質
- 景気局面ごとの投資行動の違い
といった視点が、暗号資産市場を読み解く上でますます重要になります。
暗号資産は価格だけで語る時代から、資金構造と制度の変化を読む時代へ移行しつつあります。
冷静な視点で情報を整理し、長期的な市場の変化を見極めることが重要です。














































































